ルージュ・サン

「フランスのルーアンという町に美人で女顔の男がいたっていう話、知っているか?」
「いや、全く」

「彼の名前はスノーっていうんだ」
「へぇ」

「彼は目が見えないからいつも杖をついているんだ。たまにスノーによく似た女性も見かけるから、聞いてみたんだけどスノーは会ったことが無いらしくって互いの関係性は否定するんだ」

「あなた、よく聞きましたね。それってあなたは女装して街中を歩いているでしょう、って言ってるようなものじゃないでしょうか?」
「気になったから聞いたんだ。別にいいだろ?それでな……その頃のフランスは今よりも治安が悪かったんだ。あちらこちらで事件が絶えないようなところだった。
そうだな……有名な事件といえば、フランスの切り裂きジャックと言われている黒いドレスの女か……それ以外にはルージュ・サンと呼ばれている強盗も。捕まってないうちに死刑が決まっている者だっていたんだ。まぁ、黒いドレスの女は目撃者だって死んでばっかだし、警察が遭遇したこともないせいで捕まることはないと言われていたんだが……」

「それってかなり不名誉な事だったでしょうね」
「いいんだ。別に、世論のことなんて気にしなくていいって友人も言っていたし」

「友人。それはまたルキウスという男のことでしょうか」

「そいつ以外に誰がいるって言うんだ!……話が逸れたな。それでな、ルージュ・サンは一番逮捕が近いって言われていたんだ。理由は二つあった。
一つは警察が何度も遭遇することが出来ていること。
二つはある程度の言葉のやり取りが出来ること。
警察は毎回のように彼女に……いや、彼に自首するように声を掛けていたんだ。もちろん俺も、ルキウスもそれはしていた。

だけどそんな説得もむなしく警察に対してナイフを投げてくるようになっっていってしまったんだ」

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